一番わかりやすいイメージは、押し絵羽子板です。立体的な形で今ではとても高級品です。作成するのに手がかかり、時間もかかり、技術も要するので、作る人が少なくなっています
東京都伝統主工芸品となっています。
正倉院御物の貼り絵が押し絵となったと言われています。本格的には江戸時代、徳川2代将軍家忠の娘が御所に嫁ぎ、押し絵小物として手なぐさめとして流行させたということです。後の東福門院さんとなったわけですが、お茶の師匠 千 宗旦 にお礼として差し上げたものが現存しています。
また東福門院さんは「ひなの節句」を御所に広げた人とも伝わっています。人形を高価な絹で押して、ひな人形とし、御所から大名奥方、奥女中、そして金持ちの庶民へと伝わりひな人形となったわけです。
青木さんの押し絵はどれも題材、人形、絹の布、色までとてもこだわっていらっしゃいますね。生地を探すのも一苦労ですよね。
京都で生まれ育ったので、絹布には思い入れがあり、とことん気に入ったものを探します。一つ一つの作品にパワーが入っています。
その作品の数々を11月5日に拝見できるのですから、皆さん必見です!
さて羽子板の件ですが、江戸時代では歌舞伎の人気役者の顔が羽子板の顔になったとか。まるでブロマイドですね。
浮世絵が立体的な押し絵作品にもなったそうです。
羽子板は魔除けの意味もあるので、神社のお正月には沢山並べられていました。女の子たちは自分のお気に入りの歌舞伎役者の羽子板を購入して帯につけて、または手で見せながら華やかなお正月の風物姿となったようです。
今でも女の子の初節句に羽子板を飾るのはその名残です。
いろいろ勉強になりました。11月5日は青木静花先生の素晴らしい押し絵の世界をご覧下さい!